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報道記者の“メモ”について、考える(Business Media 誠)

 永田町・霞が関の記者クラブ開放問題がインターネットの各種メディアをにぎわせている。

 この中で「記者が政治家や官僚とのやりとりを記したオフレコメモが不正に扱われていた」などのニュースが耳目を集めているのは周知の通り。開放問題やメモの漏洩(ろうえい)問題は他稿に譲るとして、一般の読者に馴染みのないマスコミ界の「メモ」とはなにか。今回の時事日想では、業界のメモ事情に触れる。

●メモの体裁と目的

 記者の仕事の1つに会見に出席して記事を書くことがある。ただ、当コラムで何度も触れたが、大勢の記者が集まる会見で本音や真相が明かされる機会はほとんどない。加えて、この場で出た発言や中身は他社と横並びになってしまう。日々「他社を出し抜け」とプレッシャーをかけられる記者にとって、会見は正直なところあまりありがたい存在ではないのだ。

 本音を探るときはどうすればいいのか。これも当コラムで触れてきたが、「記事化しない」「発言者を特定しない」などの条件の下、小数の記者が集まる「懇談」に参加する、あるいは、夜討ち朝駆けに代表されるような個別取材で生の話を得ることになる。

 多くの場合、「オフレコ」の条件が提示される。取材される側が自身の安全を守る、あるいは、記者に正確かつ適切なメッセージを伝えたいが、ネタ元が特定されることで混乱を招く恐れがある場合などに「オフレコ」のシバリが課される。

 記者側がこれを飲めば、もちろん記事にはできない。文字通りの「オフ・ザ・レコード」となるわけだ。ただ、取材で得た成果はきちんと記者側に記録されている。この記録されたやりとりを記した書面・書類が、最近話題のメモだとお考えいただきたい。

●これがメモ

 筆者が長年記してきたメモの体裁は以下のようなものだ(内容は筆者が考え出した完全なるフィクションであることをお断りしておく)。

(例1)

『◯月△日 国際金融筋(夜回り・自宅リビング・サシ)、引用不可=テーマ米金融市場

Q.米国金融市場の混乱が収まらない。日本の出方は?

A.欧州当局とも連携を強めているが、肝心の米国に当事者意識が弱い。

Q.米国の当事者とは財務省か、それともFRBを指すのか?

A. どちらとも言えない。向こうの偉いさんの発言をチェックしていれば分かるだろ。

Q.米国の緊急金融緩和はあり得るか? 

A.今の段階では、関係部署に連絡は入っていないと聞いている。

(例2)

『△月◯日 役所総務課長(朝駆け・自宅玄関前・◯◯新聞、□◯テレビ同席) 一部引用可=金融筋での引用限定=某銀行資金繰り関係』

Q.◯△銀行、今日の短期金融市場でも資金の出し手に供給を絞られたようだが。

A.最終的には、最後の貸し手がなんとかしたじゃないか。

Q.検査でやばい案件が見つかったという観測もある。それが出し手をちゅうちょさせているのではないか?

A.俺は直接の担当じゃないし、中身自体も報告が上がってきていない。

 例示したやりとりは、直当たりした時間の長さにもよるが、A4の書面で5~6枚、ときには20枚程度に記録される。この間、レコーダーはもちろんのこと、取材手帳を広げることさえ禁じられることが多い。取材対象者の発言の一字一句を聞き漏らすまいと、記者は必死に頭の中に言葉を刻み込み、取材が終わった瞬間にメモを起こすわけだ。

 記者1人ひとりが集めたこうしたメモは、キャップや担当デスクのもとに集められ、事件や取材テーマの局面ごとに重要な資料として用いられることになる。

 例えば、新聞やテレビの記事の中で「~~とみられる」の「みられる」を削除し、記事の断定口調の記事にブラッシュアップさせるために、記者の間で蓄積されたメモは貴重な手掛かりとなるわけだ。また長期間の取材を経て、他社を出し抜くスクープを放つ際は、こうしたメモを参考にドキュメント記事を執筆したりもする。

 筆者が長年ストックしてきたのは、先に示したような経済部の体裁のメモ。社会部には地検担当や警視庁捜査一課長のメモが存在し、政治部には官邸首脳、与党首脳などのメモが大量に蓄積されている。

●読まれるための「メモ」と本当の「メモ」

 現在、ネットメディアを中心に話題を集めている永田町界隈のメモだが、筆者が想像するに、これは完全に「読まれることを前提にしたメモ」なのだ。筆者も経験があるが、キャップ、あるいは担当デスクに情報を上げる際、これが社内の内通者を経て取材元に逆流したり、はたまた週刊誌など他メディアに流出するリスクを真っ先に想定する。そうでなければ、大事なネタ元を保護できないからだ。肝心なメモは、本来他人には一切見せない……「墓場まで持っていく」という類いのものなのだ。

 特に政治部の場合、多くの政治家や秘書の間をこまめに回り、「メモを書くことが仕事」となっている要素が多い。このため、「記事と同様の扱いのメモと、本当に重要なネタが記されたメモは厳格に区別している」(大手紙与党担当者)向きが多い。

 筆者自身に政治部での取材経験はないが、経済ネタと政治家の判断が絡むような局面で何度か政治家の発言を記した「本当のメモ」に接した。当然、これらは現在も「オフレコ」のシバリが生きているため、本欄で記すわけにはいかない。が、巷間で騒がれている某元政府高官が閲覧していたメモとは、明らかに中身の濃さが違うのだ。

 メディア界には、今も昔も記事にできない内容を記したメモが存在する。もし読者が記者に取材されるような機会があり、「オフレコ」とシバリをかけ、これが記事にされないような場合でも、しっかりとメモが蓄積されていることを肝に銘じておく必要がある。【相場英雄】

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